私は、小さい頃に母によく
「あなたに人様に迷惑をかける子だけにはなりなさんなとは言わないけれど、迷惑をかけられてもそれを受けられる子になりなさい。」
と言われたものでした。
母はね、たまにこんな事を言っていました。
迷惑をかけないで生きていくってそんな悲しいことはないと。
迷惑を掛け合うことでその関係が深まるのだと。
親子だって、夫婦だって、迷惑の掛け合いの連続です。
もちろん、迷惑の度合いや内容というものがあるのですが。
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でも、最近は特にデジタル化が進んだ現在は人がいかに迷惑をかけないよう気をつけているか、のように感じます。
よく、何かお願い事をされても付け足しに
OOしてもらっても良い?迷惑がかからない程度に
というのも聞きますし。私もきっと言っている時、あります。
でも、それって言われて嬉しい言葉でしょうか?
私は、何か距離を感じてしまいます。
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ー家のバカ犬が、私のOOを踏んじゃってさ〜
ー家の子どもは私がやってくれるもんだと思ってるからさーまったく〜
ー友達からさ、OOしてくれって頼まれちゃってさ〜
これらの言葉に私はとても親しみを感じてしまうのです。
何か、自慢にも聞こえてしまいこちらまで微笑みがでます。
許し合っている関係ですよね。
これくらいやっても、許してくれる人。
信用あっての上で頼まれている私。
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太宰治の「走れメロス」の世界ですね。
(あらすじ・ネタバレ)
メロスは、王様にある願いを申し出た所、ある物を取って来い と言われます。その間おまえの親友を人質にするので戻ってこなかったら殺すと言われてしまいました。
メロスの親友は、ロープで巻き付かれてしまいます。
メロスは、山を超え谷を超え急いで条件を果たそうとするのですがその間に何度もかなりの試練がメロスを襲うのです。
3日たった頃メロスは、その条件を果たし戻ってくるのでした。
王様はその友情を認めました。
メロスの親友は、3日間の内一度、もしかしたら戻ってこないかもしれないと疑ったことを正直に話すのですがそれはたった一度の事でした。
メロスも、自分も何度も挫けそうになったと話すのでした。
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学校の子どもたちに、こういう事をお願いできるお友達、いますか?
と、聞いたら殆どの生徒が 想像できないという回答でした。
大きな迷惑をかけた事がないから想像できないのかな。
では、親や家族は?と聞くとハイと答えた子が半分でした。
とっても困った時に、迷惑を承知でお願いしてみる勇気
そしてそれを、受け入れる寛容さ。駆け引きのない関係。
そして、自分の迷惑を受け入れてもらった時の友人からの自分への信頼感を感じた時、その友情への感謝の思いが深まります。
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今回、迷惑って言葉をあえて使いましたが、それが居心地悪かったらお願いに言い換えても良いと思います。
でも、あえて迷惑にしたのはその方が何か迷惑な感じが伝わるからです。
その位のお願いを、友人や、義理のご両親、恩師にするという事は、その方への信頼を表す形なのかもしれないですね。
こんな経験が、人生をより豊かにする事でしょう。